【やがて来るタイムリミット】 008

「信じてもらえないかもしれないけど…」

僕は、自分がカピバラのゴロゴロであることを打ち明けた。
女神様に1年の時間をもらったこと、
そしてまもなくタイムリミットがくること、
そしたら自分も消滅する。もしもタマが先に天国に行っても僕が一人で取り残される時間は短い、心配しないで良いからね、と。

カピバラだった頃、タマに親切にしてもらったことを感謝していると告げた。
「感謝している」とは言ったがまだ「ありがとう」は言わなかった。
「ありがとう」は最後の日に言うと決めていたから。

タマは少しの間「クスクス」と小さく声を出して笑ってから、その笑顔のまま言った

   「知ってた」